独自ドメインでホームページを運営することの大切さ

ホームページをビジネスで活用する上で不可欠なことは、
独自ドメインでホームページを運営することです。

これは、大企業でも中小企業でも個人事業やフリーランスの方々でも変わりません。

実際には、Facebook や Twitter のソーシャルメディアのアカウントだけで取り組んだり、無料のブログホスティングでブログだけ開設して毎日投稿したりする方もいます。

またホームページが簡単に作れるサービスでホームページを作成してみたり、
無料の紹介データベースサービスに登録したり、専門ポータルサイトを活用しています。

そのようなインターネット上のサービスは、
ITの苦手なところを補ってくれる。
煩わしい手間がないところが魅力的です。
みんなが使っているから集客に繋がるのではないかと思ってしまいます。

しかしインターネットサービスを使っていても、
今までずっとビジネスに活用できていると言えるところはごく一部。
大半はそれほどの効果を感じていないのが実情です。

それはなぜでしょうか?

それは、そのインターネットサービスのドメイン下で活動しているからです。
個人で楽しむ分にはそれでいいかもしれませんが、
企業として、事業として活動をしているのであれば、
経営者は考え直さなければなりません。

独自ドメインをインターネット上の経営資源として捉える

インターネット上で企業や事業の信用を積み重ねる場所はどこでしょうか?

それは「インターネット上の住所」とも例えられるドメインです。

インターネットを活用して情報発信する上で押さえなければならないのは、
発信元をご自身で取得したドメインの元ですることです。

これはインターネットで情報を発信する基本中の基本です。

ドメインは、インターネット上の経営資源として捉えることが経営者に求められます。この発想がないと、いくら外部のサービスを活用してもなかなかビジネスが伸びていきません。

今はドメインの取得は、安価にできますから。
独自ドメインでホームページを作っていない場合は、
まずは、ドメインを取って独自ドメインのホームページを運営することをお薦めします。
外部のサービスを利用している場合でも、独自ドメインが登録できるプランがあったりするので一度確認して利用してみてください。

独自ドメインを軸に信用を蓄積して信頼されることを目指す

独自ドメインのホームページでの活動は他のメリットとしては、柔軟性を生み出せます。

外部のサービスですと、サービス側が用意している機能の範囲内での活用に限られます。
利用の仕方も利用規約の範囲内になり、融通が利かないことがあります。
ビジネスとして商用で利用することを禁止しているサービスもあります。
コンテンツの利用に関してもサービス側が自由に使える規定が利用規約に入っています。
これはサービス側がコンテンツを勝手に利用しよう考えをもっているのではなく、サービス運営のために必要な範囲として広めの権利を保持したい姿勢でもあるのですが。
とは言ってもビジネス上著作権的に、法的なリスクがはらんできます。
いつサービス自体が終了になっても、強制閉鎖処分を受けても文句は言えません。

もし全面的に外部のサービスを頼ってホームページを運営していて、
ある日突然サービスが使えなくなったらどうしますか?

その場合ビジネスが完全に止まってしまいます。特にマーケティング面が機能不全に陥ります。
経営者としては致命的です。いままで積み重ねてきた信用がゼロになります。
独自ドメインのホームページを急いで作っても取り戻すことができません。

外部のサービスは、
以上のように信用の蓄積の場所としては利用しづらい面もあるので、
信用になるかどうかを見極めるのがなかなか難しいものです。

事業を展開する上で独自ドメインのホームページは、信用の蓄積する場所としての認識が経営者には必要です。

あなたの企業や事業だけの独自ドメインを取って活動していれば、
そのドメイン下で信用を積み重ねることができます。

信用を積み重ねた独自ドメインでのホームページの運営は、
インターネット上での活動の軸になります。

独自ドメインのホームページを軸として持っていれば、
外部のサービスの連携や取り込みがうまくいきます。

よくあるのは、冒頭で挙げた例の通り、その逆をやってしまっていること。
先に外部のサービスを活用をしてしまうことです。
これでは外部のサービスで成果に繋がりにくい。

つまり外部のサービスを活用することは、
一時的に成果があってもどこかでビジネスリスクを上げているということです。

成果を上げている経営者は、そのことが身に染みています。
先に独自ドメインのホームページを活用することから
信用になっていくことが分かっています。

外部のサービスを安易に使わず、
経営者自身がリスクを引き受けることで柔軟性を生み出し、ビジネスリスクを下げています。
それは事業を主体的にやっていく姿勢を反映していると言えます。

そして外部のサービスの連携も、
独自ドメインのホームページからのつながりを深くしていく
独自の活用方法を確立して外部のサービスを取り込むように実にうまくやっています。

まず独自ドメインのホームページの活用と充実を図って
独自ドメイン下で運用しながら試行錯誤ができる環境を作り出してみてください。

なにごとにも順番があります。それが信頼に繋がるのです。

中小企業の経営者にとってマーケティングとは

中小企業のマーケティングは必要がなかった

マーケティングは、先の「マーケティングを振り返る」で見てきたとおり、
マスマーケティング全盛期の日本では大企業を中心に行われていました。

中小企業のマーケティングは必要ありませんでした。

なぜなら当時の産業構造を見ると、
系列や下請け構造の強固な取引関係の元、
親会社や取引先を伺いながら事業運営をしていけば安泰だったから。

素直に親会社や取引先の言うとおりにしておけば、
仕事も安定的に入ってきて食いっぱぐれることはない。

そのまま経済成長の波に乗れるので、
そもそもマーケティングの「マ」も字もいらない環境だったのです。

系列や下請け構造の影響下にない中小企業や
町のお店、商店街も地域のつながりが強くそのなかで商売が成り立っていました。

しかし、1990年代のバブル崩壊後、状況は一変します。

親会社の経営不安や子会社の整理、取引先の見直し、海外流出、下請けへの締め付けも強くなります。
地域のつながりも徐々に希薄していき、人の流れが変わりシャッター商店街に。
公共事業や補助金など政府の財政政策も消極的になり、
中小企業にとって厳しい環境になっていく。

世の中に溢れるマーケティング情報は大企業向けが大半

そのような中、何とかやりくりして、厳しい環境をくぐり抜ける経営者。
不運にも倒産に追い込まれた経営者。
2001年には倒産件数2万件近くと激動な経済環境になりました。

参考: 全国企業倒産状況 倒産件数・負債額推移 - 東京商工リサーチ

中小企業も自分の足で立ち上がって歩んでいく経営や事業運営が求められるようになります。

  • どうやって新しい取引先を見つけるのか。
  • どうやって新しい商売を始めるのか。
  • どうやって新しいお客さんを獲得するのか。

を悩みつつ、営業を強化したり、新事業を立ち上げたり、様々な試みをしていきました。

しかし自力でやるには、いままでマーケティングをやっていなかった分、相当な苦労があります。

マーケティングの情報も一般的なメディアの新聞、雑誌、書籍と扱う事例は大企業向けがほとんどです。
一部専門誌や中小企業向けのノウハウがあっても失敗の連続です。
なぜなら、ノウハウや事例があっても組織体制も人材もほぼないところからのスタート。
自社の現状を考えずに大企業向けのノウハウを適用して見当違いを起こしたり、
経験がないのでマーケティングノウハウの蓄積がほぼゼロでは、失敗するのが当たり前です。

成長を諦めて停滞してしまった経営者もいます。今もそのような中小企業が大半です。

中小企業がマーケティングをするために、経営者は何を考えなければならないのでしょうか?

中小企業の経営者に必要なのは「理念としてのマーケティング」と「実践としてのマーケティング」

マーケティングには4つの側面があると考えています。
中小企業の経営者は4つの側面をしっかり捉えて扱うことが大切です。
経営者が4つの側面をうまく認識できずに失敗しているのをよく見てきました。

そのマーケティングの4つの側面とは

  • 学問としてのマーケティング
  • 手法ノウハウとしてのマーケティング
  • 理念としてのマーケティング
  • 実践としてのマーケティング

です。一つ一つ見ていきましょう。

学問としてのマーケティングは、
先の「マーケティングを振り返る」で挙げたような「マーケティングとは」何かとか。
その背景にある論理を扱っていくものです。
極めて抽象度が高く、おもに学者が扱う領域です。

手法ノウハウとしてのマーケティングは、
コンサルティングファームが扱うフレームワークなど思考の枠組み。
過去の事例を扱う事例研究 (ケーススタディ) など分析的なもの。
書籍やセミナーなどでテクニックやノウハウを方法論として解説しているもの。
など知識の部類といっていいでしょう。

理念としてのマーケティングは、
つまるところ経営者 (または事業責任者も含む) の志に根ざしたものです。
経営者はすでに経営理念を持っていると思います。
マーケティングも同様です。

「この事業の存在意義とは何か」
「この事業の目的は何か」
「この事業で実現したいことは何か」
「この事業で商品サービスが果たす役割は何か」

経営者は、以上の問いを一番先に意識し、明確に持っていることが大切です。
それは、経営者の覚悟として表出しているものです。

実践としてのマーケティングは、
文字通り自分で行うことを第一とします。
そこでは試行錯誤の体験を通じてその会社ならではのノウハウを蓄積していくことを意味します。
そのノウハウとは、組織のなかで共有されて活用されているけれど、表には公開できない。
企業秘密だから公開できないという意味ではなく、そもそも公開できる手段がないといったところ。
暗黙知に近い知識だから公表してもなかなか理解されないし共有できないものです。
なぜなら価値観や企業文化と結びついた理論理屈の知識だからです。
長年経営をしていると事業にもそのようなノウハウの蓄積が見つかると思います。
同じようにマーケティングにもあるのです。
だからこそ、その中小企業の強さを見出せます。

中小企業の経営者は、4つの側面のどれに立脚すればいいのでしょうか?

中小企業の経営者が必要なのは「理念としてのマーケティング」と「実践としてのマーケティング」の二つです。

中小企業の経営者にとってマーケティングとは

中小企業の経営者にとってマーケティングとは「価値観を創り、価値を伝える」です。

「価値観を創る」

中小企業の経営者には志や情熱が必要不可欠です。
その情熱を事業に注ぎ込んでお客さんの期待を満たすことが不可欠。
お客さんは何に期待するのか。
表面的にはお客さんに提供する商品や体験するサービスの何かですが、
深く掘り下げると経営者の価値観しかありません。
経営者が成長を続けて事業の価値観をいかに高めるか。
それが強さの根源になります。

「価値を伝える」

中小企業の経営者には弱点があります。
それは「価値を伝える」努力をしないことです。
まえに述べた中小企業のマーケティングは必要がなかったことが遠因。

「価値を伝える」だからお客さんにその「価値が伝わる」
伝われば、お客さんの「声を聞く」つまり対話の始まりです。
そこでお客さんがなにを知りたいのかが分かれば、
おのずと行動してくれるようになります。

「価値を伝える」努力を少しするだけで、
お客さんの気持ちや行動に変化を促すことができます。
結果、事業環境が見違えるほど良くなることがたくさんあります。

中小企業の経営者にとってマーケティングには、
マーケティングの4つの側面の「理念としてのマーケティング」と「実践としてのマーケティング」がかけ合わさっているのが分かると思います。

中小企業の経営者は現場でノウハウを蓄積しつつ成果をひとつずつ達成することが求められます。
事業をうまく運営している中小企業の経営者は、
価値観を軸に強みを見出すことを地道に当たり前にやっています。

中小企業の経営者のみなさんがマーケティングに取り組むにあたって、一度考えてみてはいかがでしょうか。

マーケティングを振り返る

「マーケティング」と聞いて、何を思い浮かべますか?
想像してみてください。

う〜ん、具体的に何を示している言葉なのか。
なんか良く分からない言葉ですね。

market (市場) を ing する?
ますます分からなくなってきました。

まずはマーケティングの定義から

マーケティングの定義で注意していただきたいのは、これが正しいと一つに正解を求めて決めることではありません。
一つの言葉でも、立場や解釈された時代によっていろいろな意味合いや概念が含まれていることを味わってみてください。

それでは見ていきましょう。

マーケティングの定義を紐解くと

ウィキペディアでは、

企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。 / マーケティング - Wikipedia

概念であると。時代と共に様々に変遷するものであると。

マーケティングという概念が生まれた発祥の地、アメリカ・マーケティング協会によるマーケティングの定義 (Approved July 2013)

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。

英語版

Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large. / Definition of Marketing - AMA

時代に合わせてマーケティングの定義を何回か改定しているのが興味深い。

日本マーケティング協会によるマーケティングの定義 (1990年)

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。 / マーケティング定義 - 日本マーケティング協会

フィリップ・コトラーによるマーケティングの定義

マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス

ピーター・ドラッカーによるマーケティングの定義

マーケティングの究極の目標は、セリング(単純なる販売活動)をなくすことである

セオドア・レビットによるマーケティングの定義

マーケティングとは、顧客の創造である

広辞苑によるマーケティングの定義

商品の販売やサービスなどを促進するための活動。市場活動

岩波現代経済学事典によるマーケティングの定義

企業が行う市場需要の創造・開拓・拡大を目的とした活動のことであり,より具体的には顧客ニーズを充足させるための仕組みづくりと,その仕組みに基づいて行う市場活動・市場実践をいう。

マーケティングの定義だけでも、団体、学者個人によってそれぞれ捉え方があるのが分かります。

さらに「●●マーケティング」と言って提唱されて、様々な言葉が生まれてきます。
それだけ世の中が変化している証拠といえるかもしれない。
流行的にもてはやされては消えていく言葉も一面にあります。
バスワードというものですね。
さらに一つの手法がマーケティングといっている場合や
広告宣伝がマーケティングと狭く捉えている場合もあり、
そもそも「マーケティング」って何?ってなっちゃいますね。

日本でのマーケティングは大企業中心

日本でのマーケティングは、戦後大量生産・大量消費の経済成長のもと、
大量プロモーションを前提として一様の消費者にマーケティングを行っていました。
いわゆるマスマーケティングというもの。
マーケティング活動も大企業の部署の一部で取り組み、
おもに広告宣伝、販売促進活動をすることが
マーケティングとの認識で拡がります。

その前提は、

  • モノ不足で需要が顕在化している
  • 良い製品を作れば売れる
  • 棚に並べておけば勝手に売れる

経済全体が右肩上がりで成長しているという前提。

あとはテレビCMや広告を打てば、トレンドがつくれて商品が動いていくという時代だった。
マーケティング = 広告宣伝、販売促進の方程式が成り立っていた。

しかし、1990年代のバブル崩壊、その前提も徐々に崩れていきます。

そして前提も変わります。

  • モノが有り余って需要が見えなくなった
  • 何を作ればいいのか分からなくなった
  • 良い製品を作っても興味を持ってもらえない

消費者を見失った時代ともいえる。

流行好きな日本人の特性からブームを煽って作り出すしかなくなったり、
値段を下げればいいと安易に低価格戦略のあげく
一時的な盛り上がりに終始したり、消費者の信頼を下げたり。
その結果2001年には、デフレ経済になっていったのはご存じの通り。

情報が溢れる時代に応えることのできるマーケティング

そして現在は、顧客を徹底して知り尽くすことが勝負の分かれ目になりつつあります。

いままでのマーケティングは、商品を市場に流すことを中心に組み立ててきましたが、
今は、視点が180度変わって顧客を中心にニーズを的確に掴んで、
そのニーズを商品やサービス、または事業そのものに反映できるかの競争です。

しかし今までの成功体験を捨てきれず変わりきれなかったり、
事業の根幹から見直さなければマーケティングが充分にできない状態です。
事業運営も組織体制も不十分。まだ過渡期。

変わるって言ってもどう変われば...

その前提は

  • インターネットが当たり前になり、調べられる情報がいっぱいある
  • 生活者は豊富な情報をもって生き方や価値観が多種多様になっている
  • 良い製品やサービスを作っても知ってもらう前に埋もれてしまう

情報が溢れる時代に応えることのできるマーケティングが求められているといえるでしょう。

マーケティングの定義にはじまり、日本でのマーケティングを振り返って将来も考察してみました。

次回は、「中小企業の経営者にとってマーケティングとは」を考察してみたいと思います。